【労働災害】なぜ深刻な労災が発生するのか【要因】
製造業に勤務していると、さまざまな事故や災害の情報が入ってきます。
会社内の安全教育が定期的に実施され、労働災害の情報を共有し、注意喚起・再発防止に努めています。
私の勤務先でも大きな労働災害が発生した事があります。
勤務先で、深刻な労働災害が発生した時の状況。— 昇運さん@長身痩躯で手が大きい (@Get_RisingLuck) 2018年9月18日
①作業開始前の打ち合わせがされていない
②安全装置が不適切に無効化されていた
③社内安全管理で②が放置されていた
④非定常作業の手順が標準化されていない
⑤独断で危険個所に侵入した
どれか一つでも有効化されていれば、回避できた。
今後の人生に重い負担が発生しました。
状況によっては死亡する可能性もありました。
当時を振り返りつつ、記録としてブログ記事にまとめておきます。
深刻な労働災害が発生した要因とは?
労働災害の内容を聞いたとき、周知されている事例ではなくて驚きました。労災発生当時の状況はこちら。
- 機械設備の処理に不具合が発生
- 解消するため担当者が設備内部に進入
- 進入によりセンサーが反応
- 設備が自動で処理を再開
- 担当者が脱出を始めるが間に合わなかった
- 両足首が設備にはさまれた
- 設備外に脱出した担当者を、他の作業者が発見
- 担当者が救急搬送される
さらに、担当者は当日始業前の打ち合わせを欠席(遅刻)していました。
調査で発覚した社内管理の問題
企業で重大災害が発生すると、関係機関から調査が入ります。
外部からの調査で発覚した内容がこちら。
- 機械設備の安全装置が無効化されていた
- 非定常作業の手順が不明確
- 不適切な状態が社内管理で放置されていた
現場の担当者だけではなく、会社の管理体制にも問題がありました。
労働災害の発生は必然的だった
社内管理、設備取り扱い、担当者。
それぞれが危険に近づく要因を積み重ねた結果、重大災害が発生したことは明らかです。
安全衛生キーワードにハインリッヒの法則という統計・分析結果があり、それを裏付けるような内容でした。
ハインリッヒの法則とは?
1回の重大災害が発生する前には、29回の軽微な未遂災害があった。
さらにその前には、300回の異常がある。
数字にすると1:29:300の法則です。
深刻な事故は突然発生するものではなく、予兆となる出来事が積み重なった結果です。
『自分の身は自分で守る』という安全意識を心掛ける
今回取り上げた労災は、担当者1名が重い被害を背負っていく事になりました。
企業への行政処分や金銭的損失は、回復することができます。
しかし、失われた身体は完全に回復しません。
この現実を直視する時、自分の身は自分で守るという意識の重要性を思い知りました。
安全第一は合理化の大前提!
最近の機械設備には各種安全装置が取り付けられており、作業者に危険が及ばないようになっています。
ところが現場の判断で安全装置を無効化したことで、紹介したような労災につながりました。
不正な無効化の理由は「稼働中に異常解消するため」という実態です。
動いている部分に挟まれ・巻き込まれる事例は、労災の定番です。
異常が発生した時は『かならず停止してから復旧する』という安全教育がされているのですが...
停止による効率低下よりも、常に安全を優先する。
それが真の合理化です。
そのためにKYT(危険予知訓練)という社内教育が実施され、社員の安全意識を高めています。
自分の行動が、危険に近づいているのではないか?
と分析できるようになれば、災害発生要因を減らすことができる。
定められた手順を無断変更・省略してもいけない。
規定には必ず意味があって、機能や手順には安全対策が含まれています。
無断で安全装置を停止する事は、大きな労災の要因となりました。
予防するためには、どうすればよいのか?
動いている部分に挟まれ・巻き込まれる事例は、労災の定番です。
異常が発生した時は『かならず停止してから復旧する』という安全教育がされているのですが...
停止による効率低下よりも、常に安全を優先する。
それが真の合理化です。
危険予知訓練の実践
もしも危険箇所が予知できたら、労災の発生を防ぐことができます。そのためにKYT(危険予知訓練)という社内教育が実施され、社員の安全意識を高めています。
自分の行動が、危険に近づいているのではないか?
と分析できるようになれば、災害発生要因を減らすことができる。
安全規定を順守する
担当者の独断で、機械設備の機能を変更してはいけません。定められた手順を無断変更・省略してもいけない。
規定には必ず意味があって、機能や手順には安全対策が含まれています。
無断で安全装置を停止する事は、大きな労災の要因となりました。
まとめ・労災の人為的要因を取り除く
労働災害を調べてみると、ほとんど人為的要因で発生します。予防するためには、どうすればよいのか?
- 担当業務の情報を共有する
- 安全装置を作動させる
- 非定常作業の手順を定める
- 異常が発生したら停止する
- 危険個所には無断進入しない
- 規定を順守する
一個人でも、これなら実施できます。
合理化・効率化を求められても安全第一で活動しましょう。
きょうも一日、ご安全に!
森井 博子,森井 利和 労働調査会 2012-03-01
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